1-2)日本語の地層と原初日本語

 日本語に限らないが、原初の言葉は 人間の生活やその環境の変化に対応し様々な変化をえて

現在の言葉となっている。

生活技術上の変化や集団生活上の制度の変化、宗教などの導入、外来語の導入など様々な変化

により新しい言い回しや言葉がうまれ、または使われなくなり、それらがちょうど地層のように

積み重なった上に現代の言葉は成り立っている。

 これをここでは「日本語の地層」と呼ばせてもらう。

この地層については別表「日本語の地層」を見てください。

それでは、その地層をすべてはがねば、「原初日本語」が見えてこないのか。

幸いなことに、よーく観察し、分析してみると、現代の日本語には原初のままの表現が非常に

色濃く残っていることがわかる。以下にその事例をあげるが、それを理解しようとするときに

上記のような事情(地層)があったことを理解することが必要ということだ。

 驚くなよ。たとえば、「似る」という言葉。または、「似せる(昔の言い方は「似す」)」。

この意味は「「かお」、または「かおの表情」が同じ」ことを表す。「かお」以外のものが

似ている場合は必ず○○が似ている」という。「後姿が似ている」、「言い方が似ている」など。

」というのは「かお」ないし「かおの表情」を意味するのではないかと気がつく。

そうすると、昔の言葉の意味がすぐわかる。「ほひをとめ(にほい乙女)」、「(卯の花」の

ほう垣根」。「ほいをとめ」は「かおの表情が生き生きとし輝くような乙女」、「卯の花が

真っ盛りで燃え立つ垣根」を意味することがわかる。おっとと、「ほう(ほふ)」は

「炎(ほのお)」の立つ様を意味する言葉だ。かおの表情を表す言葉に「にこにこ」、「にやにや」

など「に」のつく言葉が多いのも当然の結果なのだよ。

にきび」ってのもあったよな。「にきび」は「顔にできた丸い粒(こぶ、かぶなど色々例がある)。

もちろん、従来の教義を守る日本の教科書には出てこない話。ついでながら「似」の漢字読みは

「い」ないし「じぃ」だったかな。 現代の日本語ってのは昔のままの言葉がそのまんまでたいへん

多く残っている。

上に述べたように、日常的に考えれば容易に推察できるのだが、難しく考えないと学問ではない

と感じている人が日本語の研究やってるのではないのかね?君たちは心して勉強しようぜ。

日本語の地層と関連する事件、事情を少し説明しよう。関連する報告書は多数あるので

自分で、図書館などで勉強してください。

 まずは、日本にはいつ頃から人が住んでいて、どんな生活をしていたのか。

日本には旧石器の時代の遺物が多数見つかっている。以前はといってもこの四、五十年までは日本

にはそんな古い時代には人は住んでいなかったとされていた。ところが相沢さんという行商人が

歩いて旅行(行商)しているとき、切り通しの道路沿いの関東ローム層の崖の中に黒曜石の石ころ

を見つけ、行商の合間に研究をし、石器であるとの結論に至った。氏の主張は長いこと「関東ローム

層の中には遺物はないことになっている」として日本の学界では取り合ってくれなかった。そのご、

芹沢さんという大学の先生がこれを認め、追加的な調査の結果、相沢さんの言う「日本にも旧石器

時代に人が住んでいた」ことがようやく学会の常識となった。今から5〜6万年前から人が住んでいた

ことになる。しかもその石器の材料は発見場所からはるか離れた場所にのみ算出する黒曜石という

石材を用いている。

 ウルム氷期は約1万年前におわり、地球上では暖かな時代を迎えた。世界中の文明の始まりはみな

この時代にスタートしている。南北アメリカ大陸の原住民は、このころに、アジアからベーリング

海峡を渡り、移住していったとされている。

 一方、日本は地球全体の温暖化に伴う海面の上昇により、大陸とのつながりは急速に、一層薄まり、

日本の独自の文化が展開され、温存されたと考えられる。

この間、日本では縄文式時代といわれる時代に相当する。参考に申し上げると、日本で見つかって

いるのは世界最古の土器(土器片、1.4万年前)であり、さらに、5000年前の遺跡からは世界最大

の土器(高さ4m)が発見されている。縄文後期(3〜4千年前)から弥生時代初期には亡くなられ

た方を埋葬するときに「甕棺」という土器を用いてた。その大きさは最大寸法1mを超すものである。

日本中いたるところで発見されている。

 技術の進展の尺度で考えると、土器というのは「物性の変質をもたらす技術」という分類に相当する。

技術レベルには第一段階の「採取」、「選別」。第二段階の「加工、切除、切削」、第三段階

「増殖」、「結合、組み合わせ」などを経、4段階の「変質」にいたる段階がある。

土器というのはこの第4段階のレベルにある。ちなみに石器というのは第2段階、農業、牧畜は第3

段階に相当する。土器というのは製鉄と同じレベルの技術段階にあることを認識する必要がある。

日本の縄文式時代の技術とその広がりから考えるに、日本語というのは、縄文式時代に完成していた。

その後、西暦元年頃から以降、朝鮮、中国(漢)との交流の拡大に影響を受け変質、進展したもの

と考えられる。さらにそのごの行政上の進展、仏教の伝来と展開などの影響を受けた。さらに、

明治以降のヨーロッパ文明の影響を受け、現在の日本語に至っている。

 しかしながら、中国(漢)やヨーロッパの影響は表面的であり、原初の日本の文化、思想は現在の

 日常生活おいても厳格に温存されている。ヨーロッパの言語学者○○の分析結果では

 言語は1000年での残存率は60%としている。日本の学者はこの説の影響を受け日本でも同じとみて

 いる論が見受けられるが、日本語のおかれた環境に適合した、独自の研究、検証が必要である。

変だと思ってた日本語のほんとの意味」も現代語の分析を通じて到達できるものである。

 日本語の地層については別表を鳥瞰されたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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