日本語の

                不思議な言い回しのホント意味

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101)「そ(嘘)」と「う(裏)」
「また語呂合わせかー」なんて言わないでください。共通なのは「う」です。同じ意味があるんです。
不思議なんですが、これに相当する英語は「ovar(オウバー)」でドイツ語では「uber(ユーバー)」
漢語では「宇(う)」のようです。言語発生の原点を示唆しているんじゃなかろうかと思いますが、由来
解明は「いまだし」です。
それはそれとして、日本語の語彙要素として「う」というのは「うえ<うへ>(上)」の「う」が示すよ
うに、上位を意味し、展開されて優越などを意味するようになっています。
それがさらに展開されて、「その向こう」を意味するようになっています。ドイツ語の「uber」とまっ
たく同じ概念です。
 
では,それに続く要素、「そ」や「ら」は何を意味するんでしょう。
いずれもたびたび紹介していますが、次の通りです。
「そ」
語彙要素として、いろいろの意味がありますが、ここでは、現代日本語でも用いられている例を示し
ましょう。
そしる(誹る):バカだ、チョンだと相手の判断、考え方をけなす、け散らすことです。
そんなことあるんか?:(あなたが)提示した判断、状況説明は現実なのか?
そだつ(育つ):一人前の判断力を備えるようになる。
そうかー:そういうふうに物事をとらえる(判断する)のか?
「そ」に共通する概念は、「情報を得え、判断をすること」ということなのです。
 
「ら」は主として「場所」」を意味します。「のはら」、「うら(浦)」。「こんなもの」としてももちられま
す。「くら(蔵、鞍、etc)」などです。さらに、代名詞として、「こいつら」、「あいつら」など、など。
総じていうと、前の語彙要素を受けて、それを名詞化する働きがあります。
 
ということで、
「うそ(嘘)」は、「情報、知識を超えた判断」すなわち、現代流でいえば「常識を超えた判断」というこ
とになります。
「うら(裏)」は、「そのむこう側」を意味することになります。多少説明を追加するとして、「おもて(表)」
          との関係を考える必要があります。
          「おもて」というのは「目線(も)の上(お)に(て)あるもの」のことで、対象物に面した
          場合の表現です。それに対し「うら(裏)」は「(表の)さらに向こう側にある場所」を
          意味するのです。「あっち側」です。
            現在のイメージでは、「対象物を中心に考えた 表と裏」 ですが、言葉の上では、
          対象物を目の前にした、第三者が判断する表現だとわかるんです。
 何ら関係のないこと葉もよく考えると、深―い分けがあるんですよ
そこが語彙要素抽出合成法による分析のポイントなのです。
以上
関係解説として「70)うそ(嘘)と えそらごと(絵空事)」があります。ご参照ください。
 
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