日本語の

                不思議な言い回しのホントの意味

 

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11)締まらぬ話
 「締まらぬ話」ってのは、どんな話なのか説明しようとすると、結構複雑だね。
どんな場合に使われるかを考えてみると、自分が話したことには「締まらぬ話でした」とは言わない。
他人が話したことについて「締まらぬ話だ」と使うのが一般的だ。
じゃ、どんな話に対して使うのだろう。「話の筋道がよくわからない話」や「話し始めた時の話題とは異
なる話題に話がうつり、なんでそんな話をしてたのか不明のまま終わる話」、要するに「筋道がごちゃごち
ゃで何言いたいのかはっきりしないお話」などを指して言う。
 部下の出張報告を聞いていた上司が、最後に「じゃ、どういう風に指示してきたのかい?」と質問した
時、部下が、「相手の報告だけ聞いてきました」となると「締まらぬやつっちゃ」と小言をいう。
 どこかの総裁という高給役人がG7などの会合に出かけると決まってこうなる。
上司は税金払ってる国民だよ。いみわかる?
 
 じゃ、「しまるはなし」てのはもともとの意味は何なのだろう。
 まず、「締まる話」の「しまる」ってのは主語はなんだろ。何が「締まらぬ」のかしら。扉かや?
この例もほかの解説のと同じで、「しまる」に原意とはかけ離れた漢字「締まる」を充てたため、元の意味
がよく解かんなくなっちゃてるんだ。
 まずは、すでに「夢まくら」のところで解説済みの「まるの説明
」は日本語独特の表現、言い回しという人もいる。「ま」というのは漢字「間」を充てているのが多い。
場所、空間、時間、舞台、シーンを意味する「ま」である。
「まる」を漢字で表記したいなら「間る」が良いかね。存在すること、物事が展開している場所などを
意味するんだ。。
 したがって、「しまる」は「し」が存在することを意味することになる。「が主語になる。
問題はその「し」は何だということ。
これはね、日常的に使っている言葉に答えが隠されているんだ。君も知ってる。そっ!「しる」の「し」。
「し」には漢字「知(ち)」を充てているけど、日本語の「し」の意味は、「物事の体系的、総合的な理解
を意味する。「見たことある」だけでは「知る」にはならない。展開される物事の因果関係などを理解して
初めて「知る」といえる。
さらにこの言葉が展開された結果だと思うが、「し」にはもう一つの意味がある。
 耳にしたことがあるかと思うけどね、こんなセリフあるでしょ。「ここは俺のしま(島)だ」なんての。
この場合の「しま」の意味を考えると、もちろん「島」じゃない。
この場合の「し」は「管理、制御すること、ないしは領有、統治すること」ことを意味する。
 だからね、「俺のしまに手を出すんじゃねー」なんて怖いセリフになる。
 日本語の「し」ってのは結構深い意味があるんだってことわかる?
 
とすると、
しまる」ってのは、「事の目的、趣旨に沿いいろいろ因果関係、周辺事情をわきまえた考えが備わっている」ということなんだ。
 ちょっと、説明が「舌足らず」だったかなー?
 
注記
「し」の意味を受けた言葉として
   「しのぶ」:ある人の事績をたたえる。
「した」: 
したたか、したたらず、したしむ、しとやか、
   など、広く言葉が展開されてます。
一方、
    「し」は、日本語の基本語中の基本語として「みず」を意味する語要素でもあります。
   「したたる」、「しずく」などなどがあります。これとは別の用例です.
 
 
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