日本語の

       不思議な言い回しのホントの意味

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117)っぱい(一杯) と いっぱい(一杯)
「さらに尽くせ一杯(いっぱい)の酒」と言うセリフをご存知でしょう。酒宴で相手と気が合
い、もう一杯行こうじゃありませんかとなった時のセリフですネ。美しい漆塗りの杯にあふれ
んばかりの酒、その揺らぐ酒の面にぼんぼりの灯が美しく光る。いいですね〜。(ちょっと脱線)
一方で、春の花咲く庭に立ち、花一杯。思わず、「わー、花がいっい!」なんて歓声を上げ
る。
 どっちも、いい雰囲気で楽しくなります。ですが、ここでいつものように、
「え〜!? 両方とも一杯と言う字をあてているけど、アクセントの付け方が違うんだけど
同じ字をあてるんで良いんだろうか。花は器には盛ってないぞ。となる。
実は、「器に一杯」の場合、いろいろ使われていますが、漢語の用例「一杯」に相当します。多
分奈良、平安時代の導入語でしょう。「1」を「い」と言うのは漢語の勘定語そのものです。
イー、リャン、サン、スー・・の「い」ですね。日本語の勘定語では「ひー、ふー、みー、よう・・」
です。漢語辞典を調べてください。
 ~、「花いっい」は何に依るんでしょう。その前に、どんな風景を表現しているので
しょう。そうですね〜、秋空の元、コスモスの花が野原一杯咲き乱れているのを見て、「花
いっい、きれいー」となります。先述の「っぱい(一杯)」とはアクセントも異なるし、
何なのでしょうか。
 実は、この「いっい」という表現はもともとは「ゐっぱい」で「ゐはふ」と言う動詞
が原点ではないかと考えられます。「ゐ」は 18)でかい の項でくわしく紹介済みです。
要するに「ゐ」はこの地球(大地)のことを指す言葉で、ちなみに、「い<ゐ>(池)」
は地球(ゐ)に設けた器(け)のことです。
 「いっい<ゐっひ>」での「ひ」の「は」は表面(は)、「ひ」は表面を作ること
を意味する「ふ」の形容詞化したもの。「はないっぱい」は花が大地を覆い尽くしているこ
を意味するわけです。純粋の日本語です。
同じ一杯でもアクセントの違いで原意(由来)も異なるわけです。
両方同じ漢字「一杯」をあてているのは原意無考察のままの当て字と言う事なんです。
以上
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