日本語の  不思議な言葉のホントの意味   
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120)すきまかぜ(隙間風)と すばる(昴)

 こがらし(木枯し)吹きすさび、雪舞う季節ですね〜。ちょっと寒いですが、庭に出て、星空を眺める

と、一角にぼーっと微かに輝く星座と言うか星雲が見えます。「スバル星」ですねー。

ところで、「隙間風」なんてのは、現代の家ではあまり話になりません。せいぜい、部屋の出入り口の戸

をきちんとしめないでいると、「戸はピシッと閉めろ!隙間風で冷えちゃう」なんて程度です。ですから、

「すきま」なんてのは実感として理解することはまれでしょう。

 この「すきま(隙間)」と言う言葉の由来は、空気が狭い空間を通るときに生ずる渦流(うず)が生ずる

音を模した言葉に由来すると考えられます。

風の音は

「スースー風が吹く」から

「シューシュー風が吹く」

「ヒューヒュー風が吹く」

「ビュービュー風が吹く」

「ザーザー風が吹く」

「ゴーゴー風が吹く」

   ・・・・

のように風の状況によりさまざまな表現がされています。最も日常的な現象なので、擬音語として

さまざまに展開されています。

   「ふく(吹く)」がそもそも擬音語です。風が「ふーふー」と穏やかに流れるときの音を模した擬音語。

   「こがらし(木枯し)」の「し」は風の音、「しゅーしゅー」の擬音表現「し」によります。

風の音「スースー」はその日常性によると考えられますが、擬態語、擬声語で広く展開されています。全

部は紹介しきれないほどです。

その一つが、風が「スースー」と音を立てる場所を模した言葉で、「すくま:(すー)と言う音を立てる(く)

空間(ま)⇒すきま」です。

風が吹けば暑さも和らぐという擬性語「すずしい<すずし>(涼しい)」

隙間だらけの、「ざる」みたいなもので選別作業することは「すくう<すくふ>(掬う)」

この作業で選ばれたものは「すぐれもの<すぐるもの>(優れもの)」

「すくふ」ものがないとき「すくない<すくなし>(少ない)」

隙間だらけのものは「すだれ(簾)」

隙間がある状況は擬性展開されて「すける<すく>(透ける)」

それが展開され、ある対象物が透けて見えることは「かすみ(霞)」

水をまいても溜まらないで吸い込まれてしまう様を模して、「すな(砂)」、そんな地殻は「すか(須賀)」

身に隙間ができていると「す」=大根の「す」

・・・・・。

えーと、「すばるぼし」との関係は?

今更説明も不要かと感じますが、この星を見ていると、ほかの星が一点にキラーッと輝いている中で

いくつかの星は輝いているのですが、かすみ(霞)がかかったようにも見えます。これは小さな星が展開しているためにおこる情景です。しかし、このボヤーとした星の展開は、隙間をもって展開したようにも見えます。「す(隙間)+はる(面を作る)」です。今風でいえば、密集星団です。

と言う事は、「すばるぼし」は日本人が付けた名前と言う事。「すばる(昴)」は当て字。

「スースー」吹く風の擬音語から擬声語への展開についての説明でした。

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