日本語の

                不思議な言い回しのホントの意味

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13)白木造りと素人
 「白木(しらき)造り」って聞いたことあるよね。神社などでは、「古式に則り、
白木造りの本殿を建て替えました」など説明される。「ふーん、じゃ見て来よう」と神社に
ゆくと、ヒノキを加工した材木で神社ができている。木の香りがすがすがしい。たたずま
いも凛としている。「やっぱ、神社は白木造りがいいねー」と感心しているうちに、変な事
に気がつく。「白木と云うけど色は塗ってないぞ。ヒノキの色のまんまだよ」
 そういやー、遠足で鹿島神宮へ行ったとき、宝物館にいろいろ展示してあった。
そのなかにー、「しらたま(白玉)」と云うのがあった。水晶でできていて、まん丸の玉が
幾重にも積んであった。うっすらと緑色がかっていたと思うけど、透明の玉だったよ。色
もつかないのに「白玉」と書いてあった。国語の先生は以前に「白玉と云うのは真珠のこ
とだ。色が白くて、まん丸だろ?」て授業で話してた。そっと顔を見ると、「?、?、?」の顔
してた。
 えー!? そういやー、「しろうと(素人)」て、なんのことなじゃろ。関係あるんかし
ら。
 実はね、現在教えられている「しろ(白)」の意味は、もともとの日本語の「しろ」の意
味が分からないまんまに、漢字「白、素」を充てたために日本語のホントの意味が分かん
なくなっちゃてるんだ。「じゃ、もともとの意味はなんだったんだ?」
ハイ、これから説明しましょう。でもね、いとも不思議な話なんだ。びっくりしないで
ね。それも長々。辛抱して聞いててね。「え、えー!?」の連続になるかも。
 まずね、とんでもないとこから始まる。君が小さい頃、君のお母さんは「おしっこ」を
させるとき、何と言った?「しー」だったよね。しばらくすると、君は「しー」とおしっ
こをした。この「しーと云うのは、「おしっこが地面に当たった時の音」に似せた(模し
た)音なんだ。こう言うのは「擬音語(ぎおんご)」という。後々のために覚えておくとい
いよ。漢語では「尿(すいー)」、英語では「peep(ぴー)」。みな同類でしょ?
 この「しーは様々の言葉の出発点になっている。なぜなら、「しー」と云えばだれでも
「あーあ、あれね?」とすぐ分かるから。 じゃどんな風に広がっているんだろ?
 )まずは、水とか湿り気とか、「おしっこ」そのものと同じ質のものの言葉となってい
   る。例をあげると、「しめりけ(湿り気)」の「し」。「しずく(滴)」のし、「しみず
(清水)」のし。他にも無数といってよいほどある。
 )これも、「えー!?」だぞ。おしっこが落ちたところ。「し(下)」。「た」ってのは
   説明を省略するけど、場所を意味する。
   人間の体の部分の名称に「あ(足)」とか「こ(腰)」と云うのがある。これら
   も「おしっこ」と関係がある。「あー」と云うのは「手の届かない場所、向こう」の。こと。「こ」と云うのは「こっち」と云う風に、手前のほうを意味する。
   つまりだ、「あ」はもともとは「おしっこをするところのむこう」、「こ」は「
しっこをするところのこちら」を意味した。「し」は皆「しー」から来たてわけ。
 )もひとつ、「えー!?」だ。
    何かの解説で聞いたことあるんじゃないか? 戦国時代ってのがあった。どうい
う事情か分からないが、12,3世紀には世界中戦国時代だった。それはそれと
して、戦争すれば死者もでる。けが人も出る。怪我した人の手当ても重要だ。
そのときだ、傷口をきれいにしてやる必要がでる。きれいな水はない。そのとき
手当てをする人は、傷口を洗うのに「おしっこ」を使ったという。手に入る水の
うち「最も無菌に近い水」なんだそうだ。経験則なのだろうがすごいよねー。
 え!?何の話するんだっけ?そうそ、その「おしっこの色の話。
 幼い子供が「シー」と云った時にする「おしっこ」。みたことある?
まさに無色透明。わっしみたいな年寄りのとは違うぞー。おまけに無臭
 実は、この「おしっこ」の「無色のことをしろと云うのがもともとの日。
本語の意味なんだ。「し」はさきの「しー」。「ろ」は名詞化するときに使う要素
日本語の「いろ(色)」と云う意味は、現在のものと元々の意味はかなり異な
っている。「い」と云うのは「活力、生命力」と並んで、「気持ち、こころ」を意
味する。詳細は別の機会に解説しよう。
 
いろいろ解説が長くなったけど、おわかりかな?
 白木造り:「無垢」の木でできた建物。当然「いろ」は塗ってない。
 素人:まだ仕事が身についていない人。
と云う事になる。
 「しらふ(素面)」とうのは、お酒を飲んでないまんまの行動(ふ)、表情(ふ)。
「しらたま」は無色透明の玉のこと。「真珠のこと」と云う説は日本語の研究をしてない人
その場しのぎの説明。少なくとも「しろ」=「白色」が定着したあとの後世語。
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