日本語の

                不思議な言い回しのホントの意味

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19)うづくり
  
「うづくり」って言葉きいたことある?これってのは辞書に載っているのを見たことがない。その筋の
学会のメンバーに「うづくり」て言葉ごぞんじですか?と聞いたことがあるが、「そんなのは方言でショ。
知りませーん」と云われたことがある。「辞書にも載ってないからそんな言葉はない」とは言えない。辞
書を作る人は生活現場をあまり知らないことを意味しているだけだ。こんな例はほかにいくらもある。
実は、きわめて日常の生活に近い所では常用的な言葉なんだ。各地には「銘木店」と呼ばれている木
材を扱う店がある。そんな店で「うづくりに使うよい材はないかねー」なんて聞くと、店の主(あるじ)
の目が「キラッ」とする。「木の種類は何がいいかね?おおきさは?あつさは?」なんていろいろ質問さ
れる。ここは知ったかぶりはできない。事前に勉強しとこう。
木材には年輪やら節目がある。材の表面を磨くと硬い年輪の部分は擦り減らないで模様とって浮き上
がってくる。うまい具合に行くと大変美しい、まさに芸術品が生まれる。スギ板なぞは年輪の部分が非
常に堅く、その生地の部分は柔らかなので比較的容易に作れる。
表面を軽く火にあててから磨くと年輪の部分は黒く、生地の部分は材の元の色が出て、それは不思議
な美しさが出てくる。
こんな具合に、材の表面に手を掛けて美しさを醸し出し逸品を作るのを「うづくり」ていうんだ。
「えー!? 何が言いたいんじゃ?」。そうそう、書き忘れるところだった。
結論から言うと、「うつくしい<うつくし>(美しい)」と云う言葉のもともとの意味はここに隠され
ていることを言いたいんじゃ。
」と云うのは「うえ<うへ>(上)」のこと。
つくす」は「尽くす」にあるように「手をかける」こと。
ようするに、「手をかけて、表面を磨きあげ、美しくすること」と云うわけ。
ど!?「うづくり」で「うつくし(美しい)」が見えてきたでしょ。
 
ご参考:10年ほど前に、NHKのテレビ番組で「うづくり」を採り上げていました。
NHKに問い合わせても、番組の検索はうまくゆきませんでした。  
 
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