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                不思議な言い回しのホントの意味

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20)江戸江戸川
 
江戸時代、現在の東京は「江戸」と呼ばれていた。徳川家康公が江戸城でいわゆる国家を統治する前に、
太田道灌が江戸城の基礎を築いてきた。と習ってきたが、なぜ「江戸」と称するのか。解説を耳にしたこ
とがない。
さらにだ、おかしいぞー、「江戸川は江戸を流れる代表河川であるのでその名がついた」と解説する向き
もある。何がおかしいか? ちょっと、昔の話になるが、と云っても、100年前。「江戸」は「武蔵の国」
に在った。一方「江戸川」は「下総(現千葉県北部と現東京東部)」を流れている。「江戸川」は自然の流
れと思っている向きも多いが、実は徳川家康公以降の江戸幕府の水田拡大政策により作られた人工河川(当
然、自然の地形を利用してはいる)なんだ。地名の「江戸」とは関係ない。
ここんとこはこれからの「えど」の原意の解説を聞いていくと「そーなんかー」と解かると思う。
それには、まず、「えどゑど>(江戸)」の地名の意味を知らねばならない。それが分ると、「江戸川」の
成り立ちもわかる。いわれも見えてくる。さらに、神田川の上流部にも「江戸川」があり、「江戸」からは
るか離れた神奈川県の新横浜の付近にも「佐江戸」なる地がある。この由来も見えてくる。
では「えどの原意はなんなのだ。「えど<ゑど>(江戸)」の言葉のうち
」は「戸」と云う漢字をあてる例が多いので誤解を受けることになるのだが、「ど」は「だ」
や「た」などと共に、前にある言葉の要素の意味を受け、その特性の土地、場所や「こんなもの」
を意味する言葉を作る。日常的には「いど(井戸)」、「かど(角)」、「うだ(宇陀)」などがある。
>」は低い側から見て、高く持ち上がっているさま、様子をあらわしている。「ゆ」と同類の言
葉である。身近な例で言うと「えだ<ゑだ>(枝)」と云う言葉がある。木の先端にある部位の事である。
当然ながら「江」は当て字であり、意味はない。
結論は、言葉の成り立ちから考えると
えどゑど>(江戸)」は「高く持ち上がった場所崖の上の場所」を意味することになる。
現実の江戸」はほんとにそんなとこなのか?然り、そのとおり。現在の地図では分かりにくい。
しかしながら、まだ市街地の発達していなかった明治初頭の地図(迅速図:日本地図会館で購入
可能)を見ると「えー」と思うくらいよくわかる。赤羽から尾久、上野、本郷、お茶の水、
途中「神田用水(掘削川)」をはさんで淡路町。少し飛んで、江戸城の東縁、官庁街のある霞が
関の汐見坂、愛宕、東海道沿いに品川まで崖状の坂がつながっている。海側から見ると「えど<
ゑど>(江戸)」なのである。「江戸の高台は、下町からみると山の手」と云う事になるわけ。
じゃ、「江戸川」ってのは?「東京都」の「江戸川区」が隣接する「江戸川」はすでに紹介し
たけど、徳川家康公が古利根川や旧渡良瀬川、太日川の流路を変更し、低湿地を干拓し、広大
な水田地帯を作り上げた人工の川なんだ。千葉県の「関宿」の上流の「江戸町」から西側の低湿
地より一段高くなった高台を流れている。もちろん場所によっては高い堤防も用いている。
関宿江戸町」の「江戸」も周辺より高くなったところだ。
江戸川」の意味は、「高台(江戸)を流れる川」と云う事になる。
そうそ、「えのしまゑのしま>(江ノ島)」てのは、「周辺が崖状に海からそそり立った島」の事。
ちなみに「江戸」地名を調べると、北は秋田県から、南は長崎県まで多数用いられている名前です。
江戸」と云うのは地勢をあらわした一般地名と云う事なんだ。
 
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