日本語の

                不思議な言い回しのホント意味

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32)つるつる(ざらざら、さらさら、するする)
 
これって、普段使う言葉だよねー。何かの表面に触ったとき、そのデコボコ具合を、手の平や、指の先
の感触でこのように表現するでしょ。特に、材木を加工して、表面を仕上げてゆく段階で、その表面の
粗さを手のひらでなぜながら「こんなざらざらじゃまだまだ」とか「よくやったねー、つるつるじゃんか」
などと表現する。この表現は、触った時にかすかに聞こえる音を模したものなんだ。多分ご存じでしょう。
後学のために手元にある木製品で試してみてください。できれば、杉の木の塗装してないまんま(白木)
のが在るといいね。表面があれたまんまのは「ざらざら」。さらに表面を平滑にしてゆくと、「さらさら」
から、「つるつる」になる。こすったときの音は「チュッチュ」とか「キュッキュ」とか、高周波音になっ
てゆく。こうなったときに「つるつるになった」という。こうなると光沢を帯びてくる。
「ざらざら」、「さらさら」、「するする」や「つるつる」は単純な擬音語だという事です。
きわめて文芸的な表現と思っている方もおられると思うけど、機械工学の分野では、特に金属表面加工
の分野では、「粗さ標準ゲージ」なるものがあって、その凹凸の程度で粗さを表現する。
ここの場合は、Hmaxという一定の面積の加工範囲での、表面の凹凸の最大値を用いよう。
そうすると、
「ざらざら」:50ミクロン以上の凸凹(Hmax>50μm)
「さらさら」:12ミクロン以上の凸凹(Hmax>12μm)
「するする」: 3ミクロン以上の凸凹(Hmax>3μm)
「つるつる」:1.5ミクロン以下の凸凹
「するする」程度になると「鈍い光沢」をおびる。「つるつる」になると、光ってピカピカしてくる。
こんなのに膠などを塗って仕上げると「つやつや」して美しくなる。反射する太陽の光も眩しい。
鉄などの金属の加工表面では一層顕著に現れます。
 
「なぜこんなことを説明すんのだろ?」でしょ?
実はね、余りと云うかほとんど説明されていない日本語のホントの意味が、これで沢山説明されるとい
う事なんです。
「つ」は平滑、光沢を意味しています。「つる」は存在を意味する「る」と一緒になり、「光沢をもつ・・」
という事になるわけです。
 
「つるっぱげ」:光沢を帯び、禿げていること。
「つばき」:葉が光り輝く「木」。「つ、はく、き」。
「つばきうみ」:岸辺の崖の上に立つと、光り輝く海が広がる。千葉県旭市北西部。現、水田地帯。
「つや」:表面を意味する「や」と合成され、「ひかりかがやく(表面)」
「つやつや」も同根。
 
注:「つ」には上で説明した語彙要素としての意味以外に多数の意味を持つ。代表的なものは、「つまむ」
の「つ」で、「て」を意味する。別途掲載します。
 
以上
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