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33)ぬ(盗人)
こんな表現、そろそろ歌舞伎の中のセリフかな?でも、こんな言葉まだ通ずるうちにちょっと利用して
解説。この言葉は、いくつかの重要な言葉の由来を含んでいる。それで取り上げた。
 
まずは「ぬ」。
ぬ」は現代語の「ない(無い)」の古い表現。日常的には「そんなことはありません(ありませ)」や
「しら、ぞんぜ」や「しらんぷり(しらぬふり)」の「ぬ」に残っている。
 
「ぬ」は現代語表現では「なく」こと。「す」はあることを行う事を意味する。
似た言葉に「ぬ」がある。「く」はあるものに加工、改質、改変を与える事を意味する。
「ぬ」はこれらにより「なくす」ことを意味することになる。「ぬ(抜く)」が代表例。
「ぬく(貫井)」や「のこり(鋸)」、「み(鑿)も仲間。
 
つぎに「」。これは、人間の事。どこかで、人間の事を「ひ」と解説している向きが在るのを見かけ
たことがあるが、これは検討不十分の結論で「ぬすっ」の「と」で間違っている事がすぐわかる。
「と」は,現代語でいう「ひ(人)」のこと。心音(心臓の音)「とっと」を模した言葉と考えられる。
「ひ」の「ひ」は「」をうやまった言葉(尊称)。ちなみに「ひ」は「ひ(陽)」、「ひ(一)」の派生語。
 
結論から言うと「ぬすっと(盗人)」は「物を無くする人」
 
ご参考に:
さきに述べたが「」は現代語の「ひ(人)」のこと。これで全部という訳ではないが、下記のような
ものがある。
「おっ(夫)」:うと(「う」は「うえ<うへ>(上)」の「う」と同根。一種の尊称)
「おとう(弟)」:「おとこ」の「おと」と「うと」の組み合わせ語。
「いもう(妹)」:「いも」と「うと」の組み合わせ語。
「か(狩人)」
「あ(商人)」
「ぬ(盗人)」
 
ちょっと古いけど、
「みこ」:
神さま扱いをしているが、普通の人間への尊称。「神さま」の場合は「み(神)」と云う漢字を充
てている。
「いざなみのみこと」、「いざなぎのみこと」、「すさのおのみこと」、「あまのうづめにみこと」・・
などなど。「み」の由来は研究中。「き(幹)」、「み(道)」、「みか(帝)」、「みや(都)」など
と共通の概念が隠されているようです。
そのうち語彙要素「み」に掲載します。
 
以上
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