日本語の
不思議な言い回しのホント意味 |
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39)とり(鳥)
「とり」てのは身近で、庭みてれば木の枝にいろいろの鳥がきて何かついばんでいるのが見える。
でえ、「なぜ鳥という名がついたんだろう」なんて、昼酒片手に考え込むことになる。
その道の本や、専門家に聞くと、「飛ぶものを鳥と称した(呼ぶことになった)」と説明される。
なるほど、と思って安心しているうちに、「えー!?虫も飛ぶぞ」とか「むささび」てのはリスの仲間と
聞いてるけど、結構遠くまで飛んでゆくよねー。まてよ、「うずら<うづら>(鶉)てのは飛ばないぞー」
なんて考えているうち「飛ぶものを鳥と称した(呼ぶことになった)」という説ははなはだ疑問であると
云う結論に至る。でもー、これじゃー何の役にも立たない。
鳥ってのはなぜそう呼ばれるようになったんだろう?
語彙要素の概念から言うと、
「と」は尖ったものをいう。
身近な例では「とげ(棘)」、「とがる(尖る)」、「とぐ(研ぐ)」・・。「とさか(鶏冠)」も同じ類。
手に触れた時に、あげる悲鳴、「いつー」、「いてー」などに由来すると思われる。
悲鳴は世界じゅう共通であるが、英語では「Auch」、漢語では「痛」などがある。
もちろん「と」は他にも色々な意味をもつ。
1)心臓の音、「とっと、とっと」を模した、生命活動に関することば
そのサイクル性を擬態語とする、時間、サイクル、繰り返しに関する言葉
2)手や足による動作、行動にともなう音を模した言葉
「り」は何を意味するのだろう?
@小さいものを意味する。「ら」、「ろ」と同根。
「きり(錐)」、「はり(針)」、「くり(庫裡)」
「くり(栗)」、「さそり(蠍)」
A「・・にある」と「所在、存在」を意味する「る」の名詞化。
「あり(蟻)」、「えり<ゑり>(襟)」、「おり<をり>(折り)」、「かり(仮)」、「すり(掏り)」、
「かり(狩)」、「うり(瓜)」、
??
あわせて、
「とり」は「尖ったものをもつもの」を意味する。尖ったものとは鳥の「くちばし(嘴)」。
「とり」はその嘴をもつさまに由来するのではないかということがわかる。
飛ばなくっても、鳥は鳥。
うづら(鶉)、だちょう(駝鳥)、ペンギン。これらもこれでも安心。鳥は鳥。
ご参考に、
1)「うずら<うづら>(鶉)」は「地面(つ)の上(う)の鳥」
2)「にわとり<にはとり>(鶏)」は、昔は、「くたかけ」。「こけっこ」という鳴き声を模した呼称。
「にわとり<にはとり>」は、「かみをまつる場所」の鳥。「とりい(鳥居)」の関連語。
どうでしたか?
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