日本語の
不思議な言い回しのホント意味 |
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40)たきび(焚火)とたきぎ(焚き木)
「ひ(火)は人間の発明の中で最高位のものである」。なんて解説を読んだことあるでしょ?
そりゃそうだ、焼き鳥もビーフステーキも焼きハマグリも「ひ」がなくちゃ、楽しめない。最高位の発
明に決まっている。なんて感想文を書くと「堕落である」なんて学者がいるんだが、間違いのない事実
だ。昔は、といっても、50年も前のつぃ先だっての事だけど、「腹減ったー、なんて言ってないで、山
さ行ってたきぎ(薪)でも拾ってこい!」って母親にしかられていたことがあるのを思い浮かべること
はないか?
近頃は近所迷惑だから「焚火は禁止」なんてお触れが出回っているようだけど、「人類の発明の中での
最高位のもの」を体験していない幼児や小学生が普通になっている。聞いた話しか「知識」として持ち
合わせがないというかわいそうな状況にある。科学文部省という極めて非科学的な名前を付けた連中
は多分、焚火(燃えるものを集める、火を付ける、ぼーぼー燃やす、火を寝かす)を知らない連中の砦
だろう。「どんどん体験させる、付帯的に起こる問題も体験的に学習する、如何にそれを防ぎ、起こった
らどう処理するのか」が理科の授業の目的である。子供たちは目を輝かして行動する。
先生と教育機関の責任回避のために、日本の若者は理科と離れた学習をする。詰まんないと思う。悲
しいねー。
おっとと、話がそれた。元にもどさにゃ。
どうでもいいけど、「たきび」とか「たきぎ」ってのは、どうしてそう呼ばれてるんだ?
焚火をやった事がある人は、みんな知ってる。説明しても「ばかばかしい」なんて言う。
焚火をしていると、勢いよく燃えるようになると、燃料に当たる木端や枝や葉っぱは様々な音を立て燃
える。耳にした音の表現は、その人の感受性や、表現力により異なるので一概には言えない。
簡単言うと、「ぱきぱきっ」、「ぱちぱちっ」、「たんたんっ」、さらに激しくなると「ぱんぱんっ」となる。
これは、枝やら葉っぱは外部から熱を受けると、含まれている水分が熱で水蒸気になり、それが膨張して
その圧力で枝やら葉っぱが割れ、その時に爆発音を生ずることによる。したがって乾いてないほど音が強
くなる。笹やら竹のように中空のものでは、空気も膨張し、竹を割るからその音はすさまじくなる。
「たけ(竹)」というのはその燃焼音に由来するんじゃなかろうかと想像するくらいだ。(そうなのかもし
れません。英語でも「竹」のことは「バンブー」と、燃焼音的な名前になってます。そのうち解説します)
この、十分乾いていない木の枝なんぞを燃料にして火を燃やす時に出る燃焼音を模して「たきび(焚火)」
その、音を立てて燃える枝や木は「たきぎ(焚き木)」と呼ばれるようになった。
注記:
ごはんを「たく(炊く)」の「たく」は上に書いた「たく」と同じですが、
こちらはなべ(鍋)やらおかま(お釜)に煮炊きするものを水と一緒に入れ、下から火で加熱するとき
「くた、くた」、「ことこと」「ぐつぐつ」云う音を出します。この音を模した表現が「たく」です。
どうして「くたくた」という音になるかは、理科の先生に聞いてください。
結構複雑な解説になるんで、ここでは省略。
以上
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