日本語の

                不思議な言い回しのホント意味

リストのペイジに戻る

コンテンツ左
44)大根の「す」
お彼岸ですネ。そろそろ菜の花が盛んになってきました。採り遅れた大根にも白い菜の花が目立ちます。
こんな風になると、大根にはスが立って、味も落ちるし、見た目も落ちるしで困るんです。
ご存じと思いますけど、「ス」っていうのは、根に沿って、新の部分に出来ちゃった穴の事なんです。
なんで「ス」っていうのかが本項のテーマ。
言葉の要素としての「す」にはいろいろないみがありますけど、その一つがここに出てくる「す」です。
難しそうに書いてますが、ごく日常的に「すきま(隙間)」と用いられているように、「す」は「空隙」
を意味します。「なぜそのような意味に用いられるようになったのか」が面白い。
言葉というものが生まれ、他の言葉へと展開する時の癖がきっちり表れているのです。
なんてことはない、隙間があって、風が通ると、「すー、すー」とか「しゅー、しゅー」と音がします。
この音を真似て、空隙のことを「すー」と表現したのが始まりと考えられます。いわゆる擬音語です。
ちなみに、「すきま(隙間)」とは「すー」という音を作る「く」の場所「ま」で、「す」+「く」+「ま」
と表現したものなのです。
「す」があるとそこから向こう側が見えるわけで、これが「すけてみえる」、「すけ、すけ」と使われる。
大根の「」は空隙をいみする「す」の類似性から来た「擬態語」なのです。
「すだ(簾)」は「すだる」の名詞形で、「す」+「だる」から来た言葉です。「す」は隙間、「だる」
は「場所を占める、存在する」ことを意味する。「たる」としても使われています。
「すす」もその一群が繁茂している状況が、簾のように向こう側が透けて見えることを模したものと
考えられます。
「す(砂)」、「す(須加)」などの地質を意味する言葉も、「(みずが)すける」から来た透水性地質を意味するのです。
「す(鋤く)」:農具で地を耕し、「す」を作る行為。
「す(抄く)」:一部を取り除いたり、場所を変えるなどして、隙間を作ること。
これが展開され、「すくい<すくし>(少ない)」
 
どうでしょう、他にも色々「す」からきた言葉というか表現があります。考えてみてください。
参考:
「す」にはほかの意味もあります。参考にいくつかを記すと
1)人間の呼吸に伴う音「すー、すー」から来た言葉。
「すう<すふ>(吸う)」
2)「酢」の「す」。口にした時に唾液を生じ、これを思わず吐き出す時の音から来た。「すっぱし」
3)「する(擦る)」。物の表面を手のひらなどでなぜる。その時の音を模した語。
4)「すく(好く)」。由来未解明。
以上
 
リストのペイジに戻る
TopPageに戻る
本文
コンテンツ右
inserted by FC2 system