日本語の

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49)色彩(いろ)の表現・・・色の呼び方の由来
 
日本語では、色彩の表し方はおおむねあるものの色に似せた表現によります。
そのうち、下記のものは、何に似せたかその由来が不明確になっています。
その、由来が不明確なもの
1)しろ(白)
2)くろ(黒)
3)あか(赤)
4)き(黄)
5)あお(青)
6)みどり(緑)
でしょう。
そのほかは、おおむね、あるものに似せた表現だと解かります。たとえば
ちゃいろ(茶色):緑茶でなく、昔の、加熱乾燥処理をした茶の色。
ねずみいろ(鼠色):ねずみの毛の色。
などです。
 
今後、これらの由来が不明確なものについて、その由来の考察結果を紹介しましょう。
その前に、本コラムでは
いろ(色)」と云う言葉は何を意味するのかを確認しましょう。現代の言葉とはかなり異なった意味を持
つのですが、日本語の原点なのでわきまえておく必要があるのです。
言葉の要素の意味の説明になりますが、
」は「いる<く>(生きる)」にあるように、
人間の生命活動、活力、それの展開語である心情を意味する言葉の要素です。
その由来は、人間の呼吸に伴う、空気の流動音「ひーく」、「ふーく」をもとにした「いく(息く)」にあ
ると思われます。この「く(息く)」は「生きる」につながっているのです。今ではあまり使われません
が「息絶える」を「いぬ」と表現した由来も「い(息)」+「ぬ(無い)」によると考えられます。
下記の言葉の「い」はその意味であろうと考えられます。
(嫌):気持ち(い)を覆う(や)
な(否):こころ(い)に無い(ぬ)
いさましい<いさまし>(勇ましい):「意気込み(い)」も「客観的理解(さ)」も「存在(ます)」す。
いざう<いざふ>(誘う):心を寄せ、誘う(なふ)。「いざなみのみこと」の命名の原義。
 
「・・」はその前の言葉の要素の意味を受け、「のようなもの」の意味の名詞を作ります。
ろ(麻呂)」、「ころ(コロ、木呂)」など、用例は多数あります。
「・・ら」「・・り」と同根です。「おいら(俺)」、「ここいら」、「へり(縁)」などの用例に見られます。
 
「いろ」は現在の色彩を意味する言葉とは異なり、「心、心情」を意味する言葉であった。
「わがうつりにけりないたずらに・・」:私の気持ちは(抑えようとしても)顔に出てしまう・・
「いはにほえどちりぬるを・・」:私の気持ちは顔の表情に輝いていたのに・・・
それが転じて
「俺の色に手を出すな」の「い」は「心を寄せた人」
ついでながら「わがもは・・」の「い」は現代の「いも(妹)」とは異なり「心寄せた女」すなわち、
「こいびと(恋人)」
「色目を使う」は目のやり方に気心を映していること。
 
人の気持ちは「いろ、いろ」
 
「色彩」に触れた時の心情、心象が「いろ」と云う表現、言葉になったと考えられる。
次回以降、前述の、由来不明の色彩表現の由来を解説します。
 
 
 
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