日本語の

                不思議な言い回しのホント意味

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51)ろ(白)
 
し」は「みず」を意味する語彙要素で、非常に多面的に展開されて、多くの言葉になっている。
「し」のもともとの意味は「しー」とか「しゃー」とか「ちー」、「ちょろちょろ」など、水の流れる
ときの音を模した擬音語であることを理解する必要がある。
一番生活に密接した用例は、幼児におしっこをさせるときに親が口にする「しー」。「おしっこ」は「し
ー」の愛称表現「しっこ」なのです。「おしっこ」の「お」にも重要な意味が隠されているのですが、別
項で紹介します。
この擬音表現は、世界中で共通の言葉を生んでいると思われるます。「漢語」の「尿(スイ)」。ヨーロッ
パ語族での[peep]などなどです。
水の様(さま)を表す言葉では「しづく(滴)」、「したたる(滴る)」・・などがあります。
地勢の表現では低湿地を意味する言葉になっていて、「した(下、志多)」、「しま(島)」、「しらこ(白子)」、
「しろた(代田)」・・などなど、ここで紹介しきれないほど多数の地名、地勢語を生んでいます。
いずれも、その流れるときの音を模しているのです。
 
乳幼児の「おしっこ」は無色無臭です。
この、何にも染められていない状況を「しろ」と呼んでいます。「白木づくり」、「しろうと(素人)」な
どなどの言葉にそれが残っています。
一方、水の流動、波動に伴う「しぶき(飛沫)」の様なものは、現在ではあまり耳にしませんが、「し
ろ」と呼ばれます。その色を「しろいろ(白色)」と呼んでいるうちに言葉となったのが「しろ」の由来
です。
 
古来、日本では「しろいろ(白色)」は高潔(けたかし)な色として用いられてきました。その最たる
ものが「白無垢」姿です。神社の巫女衣装、嫁入り衣装、切腹姿の白衣などなどご参考に。
前述の、神社の「白木造り」もその思想によります。
 
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