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日本語の 不思議な言い回しのホントの意味
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６）ゆめまくら（夢枕）
「ゆめまくら」って言葉はよく耳にするでしょ。たとえばこんな風です。
「神様が夢まくらに立って、おつげを述べられました」とか「亡くなったおじいちゃんがゆめまくらにた
って、おいでおいでをしました」という具合です。
この例が示しているように「ゆめまくら」というのは「ゆめの世界、舞台」のことですね。
じつは、「まくら」に「枕」という字を当てたために原義と離れた解釈がされてしまうのです。
よく聞く説明は、「神様を夢で見た時にその様子（さま）を枕元に神様が立ったと表現した」など
です。夢を見ている人が「枕元」などとわかるはずがないでしょ？
実は、この「枕」というのが当て字で、これも不適切な当て字なのですが、なぜか有名な「草枕」という
言葉の当て字に連れられて、多数の枕言葉が作られています。
磯枕（いそまくら）
波枕（なみまくら）
菅枕（すがまくら）
などです。（日本語語源研究会誌45巻「くさまくら（久佐麻久良）」の原義の普遍的解釈 を参照方）
「まくら」のホントの意味は、と考える前に「枕」は日本語では「まくら」と微妙にアクセントが違うことに
注意して。アクセントは地方によって異なるので、ここではアクセントの位置が違うことだけを認識して
ください。「まくら（枕）」は「ある場所（ま）におく（く）、小道具（ら）」を意味するんだ。
じゃ「まくら」はなんだ、と思うよね！？
（１）「まく」は「ます」、「まる」の「ま」と同じで、もともとは「め」から派生したと考えられるんだが、
「ま」というのは現代でも同じ意味だけど、「場所」、「間」を意味する。
（２）問題は「く」だ。結論から言うと「く」というのは「変形、変質など、対象物に変化を与えること
（加工）」を意味する。「やく（焼く）」、「かく（欠く）」、「のぞく（除く）」などなど多くの事例がある。
したがって、「まく」というのは、次のようなことを意味することになる。
�� 種をまく。 種を所定の場所に置く。「えさをまく」も同じ。
�� 誰それを〇〇の国の司（つかさ）にまく（任く）。「任せる」のもともとの意。任地に配すること。
�� もすこし をまけ！（おまけをつけろ！）。「をまく」は本来のものに追加して「をく（置く）」の意。
�ぁ仝渋紊任詫召衢僂い蕕譴覆�なりましたが、「場所、間を占める」ことを意味します。自動詞です。
「夢枕」ほか「磯枕」、「波枕」、「菅枕」などは皆この意味で使われています。
などなど。
（３）「ら」はその前の言葉を受けてそれを名詞化する。
日常重宝に使っている。目にするのは地勢、植生を意味する言葉を受けて「こんな場所」をあらわす。
たとえば、「はら（原）」、「むら（村）」、「うら（浦）、「なら（奈良）」、「のら（野良）」、「ゆら（由良）」。
したがって、「ゆめまくら」は、「ゆめ」が「まをしめる」＋「ら（ばしょ）」ということになりる。
要するにだ、「ゆめのせかいで」ということになる。「なんだばかばかしい」なんて言わないでネ。
ところで、ついでの説明だけど、
１）「ゆめ」の意味。
「ゆめ」というのはむかしは「いめ」といった。万葉仮名では「伊目」と書いている。
「日本語は合理的で、哲学的だ」ということをどこかで書いたが、これもその代表例。少し説明しよう。
「い（伊）」というのは日本語では、「いきる＜いく＞（活く）」、「いさましい＜いさまし＞（勇まし）」、
「いう＜いふ＞（言ふ）」、「いさかい＜いさかひ＞（争ひ）」、「いぬ」、「いや」など、限りない用例があるけど、
共通の意味は、「生命力、活力」や「心、こころいき」を意味している。
「いめ」というのは「心（思っていること）を見るもの」ということになる。なんか、「そうなのかー！？」と
半信半疑ながら、「ふーん」と考え込まされるでしょ。
２）「いう＜いふ＞（言う）」の意味。 自分の気持ち（い）を表に出す（ふ）こと。
３）「いぬ」の意味。この言葉は近頃は余り耳にしなくなったのだけど、昔の人はよく用いた。
「い（生命活動）」が「ない（ぬ）」こと。今の「しぬ」のことです。
「しぬ（死ぬ）」は漢字「死」を「いぬ」の「い」に当てたもので本来の日本語ではない。合成語です。
外来語を用いて知的レベルを誇示しようとする日本の自称知識階層の習慣ですね。
現代の国会でも変な英語交じりの日本語を得意満面に使ってますでしょ？
も一つおまけに、
４）「いろ（色）」の意味。
「いろ」というのは、「心のさま、状況すなわち心境」のことです。万葉仮名では「伊呂」。
「いろはにほへどちりぬるを・・・」は「私の心境（いろ）は顔に現れる（にほふ）が、それも消え去って、・・」
や「わがいろせ（私の愛する夫）」「いろも（私の愛するお母さん）」などの言葉となっています。
「ろ」の意味の説明を忘れるとこでした。 日本語には、前の言葉の意味を受けて、名詞化する
「言葉 の要素」があります。「・・・なこと」、「・・・なもの」などのかるい意味をもちます。
有名なのは「まろ（麻呂）」。本来の意味は「ここにおる（ま）もの（ろ）」です。「このやろー」の「ろ」
も同じ、小道具につく「ら」、ある特性の土地を意味する「ら」などと同族です。
また、現代では「いろ」というの「色」と書き、色彩をを意味する言葉になっていますが、原意は
上に書いたように、「こころ」ないし「心で感じたこと」を意味しました。原日本人には「色相」は「心象」
であり、「人により異なるとの哲学があった」と考えられます。
このことはヨーロッパでの中世印象派の哲学の概念がすでに奈良時代以前に共有されていたこと
を 示しています。 昔は日本人てー、進んでいたんだ。
少し書きすぎて、やかましかったかな？
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