日本語の

                不思議な言い回しのホント意味 

リストのペイジに戻る

コンテンツ左
62)ほっかむり
いやー、冷えますねー。暖冬だ、暖冬だと予報されていましたが、ひどい寒さです。陽でもさしてくれ
ればいいのでしょうが、どんより、曇り空。時々雪。西からの風が加わって、いやー、冷える、冷える。
普段の作業着だけじゃ寒くてかなわん、ほっかむりもしよう、と手ぬぐいでほっかむり。少し、ほっとし
た途端に、「ほっかむり」ってのは何の事?となったところで、「ほっかむり」の由来の考察。
「ほおかむり(頬かむり)」と書いている向きもあるが、実際は頭からすっぽり布切れを被り、顎の先で
結わえるのがやり方。出来れば、首筋もしっかり覆うようにする。ほほ(頬)は耳の下あたりが覆われる
程度。もともとこの部位(頬)は寒さに強い。どじょうすくいの踊り手の「ほっかむり」姿みても「ほほ」
にはおしろいやら、頬紅を塗って丸出しである。どう考えても「ほおかむり(頬かむり)」は当て字だと気
がつく。じゃあどういう由来でこうなったのだろう。この言葉はかなり古い言葉で、日本語の深層の表現
を含んでいる。
まず、「かむり」。これは「かむる」の名詞形。「かんむり(冠)」など頭にかむせるものと同根。
うーん、「頭にかむせる」ってのは変じゃないか。「かぶせる」では無いの?これが最初の説明。
日本語では「ぶ」が「む」に変化することが多い。これを知らないで「・・むり」の言葉の由来を考察し
てゆくと間違いを犯すことになる。「いねむり」、これは「いねぶり」が変化したもの。以前に説明済み。
「かぶせる」は「かむせる」になっている。「かぶりもの」は「かんむり」。
「ほっかむり」の「かむり」は「かぶり」。「おおふ(覆う)」もののこと。
つぎは「ほ」。前述のように「ほほ」では無いとすると何だという事になる。
現代では「かお<かほ>(顔)」というと、充てた漢字が示す、「顔面」を意味することになっている。
ところがである、現代の「かお<かほ>(顔)」は元々の日本語では「に」と呼ばれていたと推察されてい
る。「にる(似る)」とか「にらむ(睨む)」、「にほいをとめ(にほい乙女)」の「に」などなどに残ってい
る。体の首から上は「ほ(穂)」ないしは「かほ(架穂)」と呼ばれていたと考えられる。稲の穂と
同様の表現である。「身体(か)にある穂(ほ)」である。同じように男性の性器は「ほ」ないしは「ほこ」
、「ちんほこ」と呼ばれていてる。擬態表現である。元々は「火炎」の「ほ」ないしは「ほのほ(火の穂)」
に由来したものである。
両方合わせて、頭から首筋まで布きれなどで覆うことを「ほっかむり」という事になる。普通の日本語。
縄文時代人の友人が聞いたら、「何でそんなこと不思議がってんの?」ですって。
 
「頬かむり」なんて言っちゃだめよ!
 
以上
 

 

本文

コンテンツ右

inserted by FC2 system