日本語の

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63)さ(朝)とゆ<ゆ>(夕)、ひ(昼)とる<>(夜)
朝が来て、やがて昼に成り、日の沈む夕を迎え、夜になる。いほり(庵)の中で薪が音もなくほのをを
たて燃えている。いほり(庵、井穂利)の屋根を覆うわら(藁)にほのを(炎、火の穂)の光が映え、な
んとも言えない美しさ。周りでは家族のおしゃべりも途絶えて、みな寝入ってしまった。
炎のゆらゆらするのを見ていると色々なことを考えてしまう。
「あさ?」、「ひる?」、「ゆう?」、「よる?」。みーんなそう呼んでいるからそれでいいんだが。
「じっちゃま」はなぜそういうんだとかは教えてくれなかったなー。
うーん。と考えているうちに寝込んで、朝を迎えた。
 
そ!なかなかすぐには分かんない。けれど、朝、昼、夕、夜の由来以下のようになってるんじゃなか
ろうか。みんな、その時どきで、お日様の様子を表現した言葉じゃないんだろうか。
さ(朝):日が昇る前に、遠い東のそらが明るくなる。
「あ」は手の届かない遠方を意味する。たびたび取り上げているので解説省略。
「さ」にはいろいろな概念が含まれているが、その一つは「ある場所、面が一面に明るくなるさま」
を表現している。身近な例では「さえる(冴える)」、「さびる(錆びる)」等など用いられて
いる。さかな(魚)の「さ」もその肌が光り輝くさまによる名前なのではないか。
あわせて「あさ」という表現にになった。
 
<ゆ>(夕):陽が西の地平線に沈むころ、陽はそれまでのまんまる(眞円)から、左右に扁平に
歪んで見え、さらに地平線より下に沈むほどに、地平線から下は見えなくなり、ゆがみは
ひどくなる。日本語では「ゆらゆら、ゆらぐ」という言葉があるように、また「ゆがむ」
という言葉もあるように、付かず離れずの状態で、キチンとした形を保っていない状態
を表現するのに「ゆ」とする。「ゆふ(夕)」は「ひ、ゆふ」に由来するものなのです。
太陽の日没時の形状変化を表したものと考えられます。
参考に、この現象は、日没前の地表面の大気の揺れにより起こされるもので、日の出の
時のように大気の安定な時にはおこらないのです。
(昼):読んで字の如し。「ひ」+「る」。「ひ(陽)」が「る(所在する)」。
「・・る」という言葉のもともとの意味は「ある場所に所在する、ある状態にある」ことを意味
します。「ある」、「さる」、「なる」・・・など例にきりがありません。
「ひる」は「太陽がある状況」のことなんです。
(夜):この言葉に類似した表現には、「よす(止す)」があります。多少発音が異なりますが、「雨が
やむ(止む)」のように「や」に変化したものがあります。
いずれも「よ」、「や」は活動を停止することを意味してます
「よ(夜)」は、元々は、「ひよる」で「太陽活動が止まっている」状況を表現したものと考
えられます。
ちなみに、「よみのくに(黄泉の国)」という表現がありますが、古事記の原文を見ると、「薄
暗くてよく見通せない場所」のことです。「止目」の国のことなのでしょう。当然なのですが、
「黄泉の国」というのは当て字です。
 
朝、昼、夕、夜は太陽活動との関係での呼称としたうえでの推察です。間違いないと思いますが、
異論、異説のおたよりお待ちします。
以上。

 

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