日本語の

                不思議な言い回しのホント意味 

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64)春の(息吹
さむい、さむいと言っているうちに、「おや、日の入りが遅くなったねー」などと気がつく。
「そういやー、落ち葉の下の雑草の葉の緑色が濃くなった」なんてのにも気がつく。なんたって立春だよ、
こんな時期になると、じっちゃまは「春のいぶきがこくなってきたねー」なんて言ってたなー。
でも、「」ってのは何の事だろ。例によって語彙要素とその概念の説明という事になるんだが、
この「」に関連する語彙要素の解説はすでに何度か取り上げている。それにかかわらずここで取り
上げようというのは、現代日本語ではあまり用いられないことや、広辞苑などのその道の権威の解説では
間違ったものが多いことなどを気にして、再度解説しとこうかというわけ。しつこいかネ。
 
まずは「」。
「“い”は強調を意味する助詞」なんて解説を見かけるけど、そんないい加減なのではなく、キチンとし
た由来とそれから派生した言葉の要素としての意味があるんです。
」は「いきる<いく>(生きる)」や「いきいき(活き活き)」にあるように生命活動、生命力を意
味する言葉の要素です。「く(息く)」が由来と考えられます。「く」は人間に限らず動物が呼吸すると
きの空気の流動音「ー、ふー」や「ー、くー」を模した擬音語と考えられます。従って、
世界中に類似の言葉を見とめることができるわけです。漢語「息(そく)」、英語「suck」などです。
この生命活力の源は「元気」という概念になり、「いさましい」、「いきいき」などの言葉を産んでいます。
全部はここで取り上げられません。すぐに思いつきますよ、考えてみてください。
一方で、展開されて、「何かをやろう」という人間の心つもり、心情を意味するようになっている。
「(わが)も(妹):こころのひと=恋人」、
「い(色):心情、心の状況」、「いろめをつかう」
「い:狙い」:心情、心根の謙遜表現、「いれりつくせり」
「い(厭)」の「い」も心情のこと。自分の心情をやむ(止む)こと。
め←め(夢)」:心情が描いたもの。かっては「いめ(伊目)」と呼んでいた。
たけだけ(威猛々)」:「やるき(い)」が高揚していること
少し話が膨らみすぎたかな?
 
次に「き」。
」にもいろいろの概念が含まれています。
1)「風が吹く」の「く」もその一つ。その音「ふー」ないし「ひゅー」を模した擬音語かと思われま
す。
2)もひとつは、「ふ」や「ふるまい」など、人間の行為、行動を意味する言葉の要素となっている。
人間の行動に伴う「かざきり(風切り)音」を模した言葉の要素と考えられます。
3)これが転じて、表面、外観とその変化、特に拡張的変化を意味するようになっている。
「ふき(蕗)」、「やまぶき(山吹)」
「やねをふく(葺く)」
「ふくらむ<ふくるむ>(膨らむ)」
「をふくろ(お袋)」
などなど。
 
ちょっと話がそれましたが、以上から
はるのいぶき(春の息吹)」とは「はる」の「活き活きした振る舞い、動き」を意味することが
分かります。でも、まだ、「春真っ盛り」では無いのですぞ。
 
以上
面白かったですか?

  以上

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