日本語の
不思議な言い回しのホント意味 |
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68)猿(さる)
動物園にはいろいろの動物がいるけど、猿もなかなか人気である。ジーと何かを眺めているようなのが
いたり、ぴょんぴょん跳ね回っているのがいたり、さまざまである。それでいて、めったなことでは声を
出さず、静寂なのが不思議である。
声を出す動物はその声を模して名前がつけられている例が多い。一番わかりやすいのが猫。「にゃー」と
鳴くので「ねこ」。「ぶー」と鳴けば「ぶーた」。「かーかー」で「からす」。
それじゃ、「さる」の名前の由来はなんなのだろ。これを考えるとき、昔の日本人は事物を観察し、みんなが
すぐに納得することができる呼び名を発明したことが見えてくる。科学者であったことが分かる。
それで、この呼び名の由来の考察を紹介することにした。
まずは、いつもながら、言葉の要素とその意味について考えよう。
「さ」にはいろいろな意味が在る。なぜそのような意味でつかわれるようになったかは未解明であるが、
「さ」のおもな意味は
1)「さとる」の「さ」に代表される、「体系的、論理的に物事の特性を理解すること」
「さーて」とか「さては」なんて日常語にも使われている。「さぐる」、「さがす」も同じ「さ」
2)「さえる」の「さ」に代表される、「ぼーっと明るく輝くさまのこと」
「あさ(朝)」とか「さく(咲く)」なんて言葉に表れている。
「・・る」の主な意味は
「ある(在る)」とか「でる(出る)」などのように用いられているが、「ある状態にある、場所に所在する」
ことを意味する重要な言葉の要素。
として、
「さる」は「目の前で起こっていることを観察、考察している」ことを意味することが分かる。
どうでしょう、猿の思慮深そうな、じっと目の前の物事を考えている様そのものなのではないでしょう
か。
実は、動物の名前で、似たのが在ります。
「うさぎ(兎)」( 28)ウサギとカメの項をご参照ください)
「さぎ(鷺)」
いずれもその様を模したものなのではないかと考えられるのです。
一度、野に出で、観察してみてください。「ホントだ!」とすぐわかりますよ。
以上
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