日本語の

                不思議な言い回しのホント意味 

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70)「うそ(嘘)」と「えそらごと<ゑそらごと>(絵空事)」
少し哲学的なんだけど、こういう言葉を日常的に使っている。言葉の意味を説明する必要はないとおも
うけど、どうしてそういう言葉ができているのでしょう。本稿の解説でいつも説明している「語彙要素の
概念」を援用して考えよう。
「う」は「うえ<うへ>(上)」の「う」で「上位、高位」を意味する。
「あ」とか「ゑ」とか「お」、「を」も同じ意味で用いられることが多い。
「そ」は本コラムでは初めての紹介になるかもしれないが、結論を云うと、「体系的な知識に基づく思慮
判断」を意味する。日常的には「そ、そ」とか「うかー<ふか>」など用いている。
更にだ、「そつ(育つ)」の「そ」は一人前に物事の判断ができるようになる事が元々の意
味である。背丈が大きくなる場合は「大きくなって!」と表現する。混同されている向きも多
い。「あっ、ー!?」、「そーそ!」の「そ」も同じ概念である。
未解明であるが、ヨーロッパ語族では,「so」、「si」、漢語では「然」と同じ音で同じ意味を持
つ言葉がある。多分人間は同じ意味、概念を持った時、同じような声を出すことによると考えられ
る。
両方合わせて、
そ」は「通常の知識、見解に基づく判断を超越している事」を意味することになる。
「え!嘘じゃなかろうか?」ですって?
そっ!「そ」の意味をわきまえていますね。
ついでながら、俳人の松尾芭蕉の弟子に「曽良」と云う方がおられました。多分、芭蕉が名前を贈
ったと思いますが「よく、物事をわきまえた識者」として尊敬した名前なのではありませんでしょう
か。
で、「えそらご<ゑそらご>(絵空事)」って言葉も耳にするでしょ?
「ゑ」と云うのは「う」とほぼ同じ意味の言葉の要素です。
「日常的に「えだ<ゑだ>(枝)」と云う言葉が在りますが、「高いところ{ゑ}にある(だ)もの」
と使われています。最初に説明した「う」の項に触れてます。
したがって「えそらご<ゑそらご>(絵空事)」と云う言葉の意味(概念)は「通常の知見、識
見から超越した事柄」と云う事になります。
「そんなこと知ってらー」ですって?
以上
 
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