日本語の

                不思議な言い回しのホント意味 

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71)きわる<きはる>(極める)
「きわめる」にはいろいろの当て字がある。「極める」、「究める」、「窮める」などがその例である。
いずれも、ある物事の状態の限界、極限、究極に達する事の意味でつかわれている。
この「きわめる<きはめる>」には日本語の言葉の要素(語彙要素)とその概念(意味)が含まれてい
る。何気なく使っている言葉もこの分析を聞くと、「あーそう云えば」、「ふむふむ」とわかる。それで取り
上げた。
先ずは、「める」。
漢字で書くと「目る」。
「め」は人間の眼であるが、展開されて「視野、視線」を意味する言葉の要素となっている。
「る」は「・・る」と用いられ、ある場所、状態にある事を意味する言葉の要素となっている。
る」は「・・と認められる」「・・とみえる」ことが分かる。現実に、「める」は「見える=目得る」と云う意味でつかわれている。分類が好きな国語学者は「方言でしょ」と無視するが、言葉の原点を極めるにはきわめて不適切な態度なんです。
マ、どうでもいいか。
次に、「き<き>(際)」。
この「き<き>」の言葉の由来の解説はほとんど目にした事がない。
それでここで取り上げた。「えー!?」と云う事が多いとおもうが、読んでください。
まずは「は」。
色々の意味で使われている。原点は「う<ふ>(這う)」にあると考えられるが、
幼児が「はっは」と息荒く這いずるさまを表現した擬声語(言葉)と考えられる。
転じて、「は(腹)」→「這う部位」、
→「平らなもの」
→「ら(原)」
→「は(浜)」
→「表面」→「は(箱:表面を覆うもの)
→「は(履く:表面を覆う)」
→「く(掃く:表面に手を加える)」
→「つ(端津:波止場の原義、船底を付ける事)」
→「場所の境界」→「は(端)」、
→「はる(離れる場所)」、
→「は(果て)
→「きし(岸)」:「し(水質系地勢)」の境界。
→「現象の境、変化点」
→「はしり(端知り)」:「梅雨の走り」参照方。
最後に、この稿の眞打ち。「き」の紹介
「き」は色々な意味が含まれている基本語彙要素です。
そのうちの一つは「き」は限界状況にある事を示す、ないしは、意味する言葉の要素なのです。
なぜそういう風に用いられるようになったか。その由来は、多分、幼児(赤子)が拒否的な表現をする時、
「きゃー」とか「ぎやー」と云う声を出しますが、この「き」ないし「ぎ」を発する状態を擬声的に表
現したものだと考えられます。女性が何か恐怖を感じた時の「きゃーっ」と叫ぶ「き」も同じ状況を示
しています。
「き」は限界的な状況を表現する語彙要素となっているのです。
ちなみに、英語では、「cry」、[critical]など「ク」を用いています。
漢語では、「極(きょく)」、「局(きょく)」などが在ります。
限界状況を表現する言葉は沢山ありますが、ほんの一部を紹介します。
「きりがない」
「くぎり」
「かぎり」
「(木を」きる(切る)」:木材ないし樹木などの限界を設けること。
例:薪の長さを揃えて切る。
以上から、
きわめる<きはむる>(極める)」は限界、究極の状態に在る、達する事を意味する事に成る。
色々の漢字をあてていますが、その意味をくんで、状況に応じて充てている字が異なります。
 
参考に、地名には語尾に「き」を用いるものが多い
久喜
岩槻
浮島
矢切り
・・etc
いづれも、地勢上の限界的状態を意味するもんなのです。「地名の成り立ち」の項をご参照ください。
以上
 
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