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85)みやこ(都)
 
「みやこ」て言葉はよく耳にするでしょ?「京の都」はその最もポピュラーな言葉ですよね。
ここで取り上げたのは、近頃、地方の首長が、何か無知なのか、劣等感にさいなまされてなのか、
『ここを「西都」なる名前に変更しよう』とか、『県庁所在市の中央部を「新都心」と呼ぼう」なんて
右往左往しているのが耳に入りますが、なんとも寂しいと云うか、さもしいと云うか、むなしくなって
「みやこ(都)」についてお話しします。
結論から言うと、「みやこ」とは「天皇が常住するところ」です。必ずしも行政府のあるところではあり
ません。
ならのみやこ(奈良)
きょうのみやこ(京都)
ひがしのみやこ(東京)
ちなみに、
徳川幕府の行政府の所在地は「えど(江戸)」
豊臣幕府の行政府所在地は「おおさか(大阪)」
源幕府の行政所在地は「かまくら(鎌倉)」
・・etc
決して「みやこ」とは呼びません。
 
言葉の構成を診ればすぐわかります。
「・・こ」は
「・・の場所」を意味します。「ここ(此処)」や「そこ(其処)」、「あすこ」も同じ用例
です。)、ほかの項でも度々解説してありますのでご一読を。
 
「みや」の「み」は
最上位、最高位、最上等を意味する言葉の要素です。なぜそのような意味を持つ
ようになったかは検討中ですが、人間にとって最も基本的で、重要なもの「み(身)」の展
開語ではないかと考えられます。
言葉の例で云うと
みね(峰)
みさき(岬)
みき()
・・
転じて、尊称として「み」を用いるようになっています。
 
「みや」の「や」は
「やね(屋根)」の「や」が示すように「上に在るもの、庇護するもの」を意味します。
「わがやどは みやこのたつみ・・」の「やど」は「安息の場所」のことです。
たびたびご紹介してますが、「やま」は「木が繁茂しうっそうとしている土地」のことで
す。「おや(親)」というのは、「上に居て(子を)やしなう(養う)」ものの事です。
 
あわせて、「や(宮)」というのは「一番上に位置し、全体を守るもの」と云う事が分かります。
漢の律令制と官位の呼称が導入されて「天皇」と呼ばれるようになったのです。
ちなみに、神武天皇と云う名前は後世の送り名で、元々の名前は「かむやめいわれひこ」で、現
在でも名前に使われている「ひこ(彦)」が使われています。
 
少し追加説明ですが、「東京」は明治天皇が江戸城に成就し、祭りごとを行う事にした時に、「ここに
ひがしのみやこをおく。」とし、「東京」と定めたものです。行政府は「東京府」でした。のちに、「みや
こ」をここに定着する際に、「東京都(ひがしのみやこ)」としたものです。新しい行政府名「都」が設
けられました。
 
参考の参考に成りますが、「とし(都市)」というのは、元来は「し(市)」という行政区画名にもとづ
く「しぶ(市部)」と呼ばれていればよいのですが、そこは差別の好きな日本行政府役人、ここは、市では
無くて「都」だと主張し、あわせて、「とし(都市)」という呼び名をでっち上げたと云う事なんです。
英国の女王の住む町だって、ロンドン市(ロンドン)です。日本は何とか差別しようとする、差別横行国家なんですヨ。「町」より「市」が高位だと思ってるんです。
名前で、他と差別しようとするのが行政思想なんですが、わかります?
それをまたやろうと云うのが関西や、関東地方の首長なんです。かなしいねー。
以上
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