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87)>(師走)
 
もう12月も末ですねー。年の暮の事を「しわす(師走)」とも呼ぶのは皆さんご存知の通りです。
漢字表記は参考に記しましたが、当然当て字なんでしょうネ。
で、12月の事を、なぜ「しわす」と呼ぶんでしょうか。月の呼び名は各月に対応しあります。
1月は「むつき」で漢字表記では「睦月」があてられていますが、これも当て字で、「産む」+「月」
がその由来かと思われますが、その他はほとんどは未解明です。
ここで「しわす」を取り上げましたが、ほんとは未解明なんです。「多分」の解説に成ります。
はじめに、辞書「新明解 古語辞典」の載っている解説を記しましょう。[参考]としての記述なんで、
ご参考に。文末に、「昔から諸説が在る」とあります。
1)し「果つ」
2)「師馳(は)せ」
3)「四極(しはつ)月」
4)「年果つる」
5)「成終(おしはつる)月」
6)「せわし」
 
結論から言うと、「しはす」は「としのおわり<をはり>」に成るんですが、その考え方を解説しましょう。
 
し:
瞬間的な「とき(時)」は「と」と呼びますが、「し」は時代とか、時節の様な在る特性の時間帯を表現する際に用いられる言葉の要素です。
なぜそう云えるのかは、下記の言葉を仔細に見ればよめます。
むかし(昔):「むく」+「し」で、「発祥(むく)」の「ころ(し)」
はじめ<はしめ>(初め):「は」は時空間の境、境界を意味する。
例:「はて(果て)」や「はなる(端なる)」、「はなれる(離れる)」
「じ」は「し」と同根で、ここで云う、ある特性の時間帯を意味する。
「む」は「うまれる(生まれる)」事を意味する。「こけ蒸す」の「む」
あわせて、何かの時、時代が開始する次点を意味する。「年のはじめ」
しばし(暫し):語頭の「し」は小さい、短い事を意味する。「ば」は元々は「ま」で時間の事。
「短い時間の間」を意味する。江戸時代以前は「しまし」といったようです。
 
は:
前述のように時空間の境、境界を意味する言葉の要素。
はなれる<はなる>(離れる):こっちではないところに所在する。
おわり<をはり>(終):問題の領域から向こう側に所在する。「おしまい」との差は別途解説。
はこだて(函館):領域の果てに在る土地。
す:
元々は「息を吸う」の「すう<すふ>」から派生した概念で、「所在する」事を意味する。
「す(巣)」も同根。「とりが すー」なんて説明が原点でしょう。
展開されて、
よく聞くセリフの「ここにおわす方」は「ここに一緒に(わ)所在される(す)方」のこと。
 
これらを合わせて、
「しはす」は「ある時期、時間帯の境目に存在する」事を意味することが分かる。
暦が出来てから、境目がはっきりする年度末を意味する事に成ったと考えられる
 
なお、「しわす<しはす>(師走)」には「つき」がつかない。
 
以上 本文
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