日本語の
不思議な言い回しのホント意味 |
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87)しりもちをつく(尻餅をつく)
「しりもちをつく」なんてことは日常よく見かける光景ですよね。まだ伝い歩きもままならない乳幼児
が、歩けないのをわすれて、一歩踏み出した途端に腰が砕け,「トスン(体が軽いのでドスンとはならない)」
としりもちをつく。周りは少しハラハラするけど、ご本人は一向に気に留めないで、這い這いに移る。
「やれやれ」と息をついたとたんに、「えー、尻が餅をつくのかー?」、「尻餅をつくのかー?」と考えち
ゃう。いろいろ考えているうちに、この「餅」という字も当て字で、ほんとの意味は、「もち」というのは
球形ないし円形のものをいみする言葉なんだとわかってきたという次第。
一番身近な例では、「もちづき(望月)」がある。まん丸の満月のことです。日常口にする「餅」は元々、
丸餅のことで、形が自然懸垂体で正面から見たときに円形なるゆえにその名が餅となったと考えられます。
そのさらに先なる由来は、自然界で最も真球に近い動物の目(め)に由来すると考えられます。
「もち」は円形ないし丸いものを意味します
じゃ、「尻餅」ってのは何なのでしょう。
そのまえに、「しり(尻)」は身体部位の名称と思われていますが、元々は、赤子に「おしっこ」をさせ
るときに、その地面にあたる音を模して、「しー」といったのが始まりで「しっこ」なる言葉ができ、さら
に「しっこ」の「し」をすることを意味する、「しる」なる言葉ができて、さらに、その方向は「しるへ」、
さらに「うしろ(後ろ)」、「しり(尻)」となっているのです。「しり」はあくまで部位ないし位置を意味する
言葉で、最後部を意味することになります。(話は少しそれますが、「ビリ」ってのとはどう違うんでしょ
うかね。別途解説しますが、ちょっと悲しいというか、情けない由来があるんです。)
以上、「もち」と「しり」の意味を合わせると、
「しりもち」というのは「うしろのまるいもの」のことだとわかります。漢語でいうと「臀部」。
似たような「も」を持つ身体部位語では「もも(腿)」があります。これも形態的に身体部位中でもっこ
りと膨らんでいて、「まるいもの」を意味するんじゃないでしょうか。
また、内臓を「もつ」というのも、形態的に丸いものに由来する名前かと思われます。
「つく」の「つ」は地面を意味します。
たとえば
「つち(土)」は「地面の上の物」
「たつ(立つ)」は足(た)を地面(つ)においていること。
などなどです。
と言うことで、初めの赤子がしりもちをつく情景と同じことになるんです。
臀部(しりもち)を地面(つ)につける
ことなんです。
以上
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