日本語の

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90)しかる(叱る)とわる(分かる)
「しかる(叱る)」と「わる(分かる)」なんてあまり関係がなさそうですよね­­­ー。でもねー、関係が
無いようでも、その関係を考えると日本語の原点がしっかり見えてれ来るんですよ。
あまり考えなくても、共通するところは「・・かる」です。この言葉の要素はかなり重要な要素なので
別の項目でも、たびたび取り上げています。「おかしい」の「か」もおなじです。このばあいの「か」は疑
念を持って考えることです。(「かむ(噛む)」の「か」などとは別由来です)
この「か」とある場所、状態にあることを意味する「る」が組み合わさって、「かる」なる言葉ができて
いるのですが、総合して「かる」は「・・の考えに至る、考えを持つ」ことになります。
参考に、行動をいみする「す」と組み合わさって「す」となり、いろいろ考えながら行動する、転じ
て舵を取ることや、ひいては、国家を管理することを意味する言葉となっています。
一方、「く」と組み合わさりいろいろ考えながら他に対して影響を与えることを意味します。「かくなる
うえは」とか「かくして・・」なんてのもその例です。
 
そこで、「しかる(叱る)」は「し」の考えを持つ、持たせることになるのですが、問題は「し」の意味
です。これについてもたびたび取り上げていますが、「しる(知る)」が代表的なことばで、「し」は体系的
な知識、規範を意味する言葉の要素です。(他に「しずく<しづく>(滴)」のように「水」を意味する要
素でもあります。) 
併せて、「しかる(叱る)」とは物事の成り立ちや社会規範などの仕組みを考えさせ、教えることなんで
す。似た言葉に「おこる(怒る)」というのがありますが、これは相手に対して威圧的になることを意味
します。「しかる」は順々と事の次第を説くものなんですね。
 
わ」というのはある集団や集団メンバーなどを意味します。
「わかる(分かる)」は共通の考え方を持つことを意味することになります。「わかった?」ということは
合意や同意を意味しません。「君のいうことはわかった。だがな、俺はこう思う」という表現がそれを示し
ています。
英語では「わかる」はUnderstand。合意はAgree。同じように言葉を分けています。
 
以上
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