日本語の

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91)こる(困る)と 「とま(止まる、泊まる)
全然関係ないような言葉を並べました。でも「・・まる」の部分は共通ですね。
この「・・まる」という言葉は「ま」と「る」という言葉の要素から成り立っています。きわめて広範
囲に展開されているので簡単に説明します。なお、別稿、「草枕の新解釈」に詳細を乗せておりますのでご
参照ください。
まずは「ま」ですが、これについてはたびたび紹介していますが、「まなこ(眼)」の「ま」にあるよう
に現代語の「め(目)」に相当します。
この「ま」は
その形態から、丸いもの、半球形、円形の物を意味する言葉の要素となり、
その機能から、目に入るもの、視野やその情景を意味するようになり、
それがさらに展開されて、場所、空間を意味する言葉の要素となり、
音変化し、「その場」にある「ば」へとつながっているんです。
  それがさらに展開されて、時間を意味する「ま」へつながっています。
一方、「・・る」は
前項でも説明しましたように、所在する、状態にあることを示す言葉の要素です。
多数の用例から抽出した概念ですが、何に由来するかは未解明です。
例として、
る(在る):ここに在る。
る(照る):日が照る。
る(戻る):元の場所に所在する。
展開されている言葉の要素として、「場所」や「こんなもの」を意味する「ろ」になっております。ま
たは「ら」となっています。詳細は別途掲載しますが、
たとえば、
   ろ:木の幹や大枝の材。
ろ(麻呂):めのまえのあるもの。謙遜語。
(色):生命力、活力などの源。例:「いろめ」
色彩を意味する言葉へと展開されている。
 
ということで、「ま」と「る」を合成すると、「・・まる」はある場所に所在することになります。
それでは「こまる」の「こ」はなにを意味するのでしょう。当然ですが「・・る」の主語になるはず
です。
その一つは、「こ」は今でいう「こころ」のことなのです。別稿の「こい<こひ>「恋」」をご参照くだ
さい。
その二つは、たびたび取り上げていますが、ピンポイント的な、限られた狭隘な場所を意味します。
地名では「こ、っこ・・(多古、田子)」などとあります。
由来は、あるポイントを木の枝で「こつ こ」と示したのに由来していると考えます。
転じて、「小さい」ことを意味するように展開されています。「こな」、「こめ」の「こ」など
があります。
そのほかに
木の材となるようなものを「こ」と言います。身近では「こづち」。
おもなものだけをとりあげましたが、その二つ目に紹介した、狭い場所を意味するの「こ」と合わさっ
て、どうしたらよいか、どっちのほうへゆくべきか、動きのとれなくなった様を「こまる」と表現したの
だと考えられます。困って、考えあぐねている人の立ち居振る舞いを見てください。
 
おっとと、「とまる」は?
「と」は「とき」の「と」にあるように、ある瞬間的な時を意味します。時間は「ま」です。「とまる」
一時ある場所に所在することです。一時の概念により「止まる」、「泊まる」、「停まる」などの漢字が
充てられているんです。(なぜ漢字を変えなくてはいけないのかは疑問ですけど。)
 
以上
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