日本語の

                不思議な言い回しのホント意味

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94)スープと吸い物、ペパーとからし
ちょっとダジャレみたいなタイトルですが、面白いので取り上げました。何が面白いのかというと、い
ずれも口にする時の音を模した表現ないし言葉と思われるところです。
「スープ(Soop)」は液体の吸い物を口にする時に吸い込む音「すー」に由来すると考えられます。
「すいもの<すひもの>(吸い物)」も同じく、お椀のふちに唇を当てて吸い込むときの音「すー」を模
した表現でしょう。
「ペパー」はそれを口にしたときに思わず「ぺっ(Pep)」と吐き出す様を模した擬声語と考えられま
す。(「Pep」の名詞形は「Pepper」)
 
ここで言いたいことの一つは、洋の東西を問わず、言葉の基本には擬音語、擬声語があることです。
もう一つは、日本語というのはながく周辺の海により外界と遮断されていたおかげで、言語の原点が単純
に温存されているといえることです。世界にもまれな言語と言えるでしょう。2011年7月30日に世
界中の研究者を集めて、大阪の国立民族博物館で開かれた「日本語の起源は解明できるのか」のタイトル
のもと、日本語は世界中のどこかの言語との共通性がなかなか確認されていないことを主題にいろいろ研
究発表がありました。つまり、独自性が高いということです。
にもかかわらず、上述のように、類似性も認められるということです。
 
も一つ言いたいことは、上述の「すー」というのは狭い空間を気体がある速度で通過する時、発生する過
流により生ずる「すー」という音を模しているということです。速度は速い場合は「ぴー」となります。
この「すー」という音を起こすことを日本語では「す」、その場所は「(おと)すく」→「すき
「すー」と音を立てる行為(ふ)は「す」→「す(吸う)」。「きをす」。
「す」が変じて、細いないしは細かい空間を意味するようになり、だいこんの「す」。
「す」が在るものは「すだ」。(「だる」は「たる」の展開語で、「所在する、場所を占める」ことを意味
する。)
さらに、隙間を作ることは「す(鋤く)」。
隙間のあるもの「すき」で行う所作は「す」。「あみですくう」。
これが発展し「すぐるもの」、別に発展し「すくなし」。
草や木の茂みを剪定し、仮払うとできる空間、視野の広がりを作ることは、たとえば「枝を空く」。
うっそうと茂っていた草木はこれで「すがすがし」くなる。
 
「すふ」と言えば呼吸に伴う音、一番静穏の状態では「すー、ふ」。「す」は吸う音、「ふ」は吐く音。
さらに静穏な状態では「ひーく」、「いーく」と聞き取れる。
この「す」は動物の静かに休んでいる状態を意味し、「す(巣)」や「すむ(住む)」になっている。
 
「スープ」をネタにした、日本語の語彙要素「す」の展開の紹介でした。
以上。
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